面会

先日入所された方の面会に行ってきました。

この方との出会いは
私がまだ駆け出しの頃
一人の居宅計画もダメだしばかりされていた頃
紹介されました。
なかなか頑固な方で
誰の援助も受けない
どこの馬の骨か分からん奴と話はできん
と門前払いされ続け
それでも必死に毎日お宅に訪問し
1ヶ月過ぎる頃
「あんたには根負けしたわ」と
受け入れて頂けたのです。
それからは
私の親衛隊だと
励ましてくださり
負けたらあかん負けたらあかんと
応援してくださっていました。

様々な事情で入所となったのですが
自分の無力を思い知らされ
割り切れない思いを払拭できないまま
会いにいきました。

そこは外観はとても美しくホテルのようなのに
足を踏み入れた途端スゴイ違和感を感じた。
笑い声は聞こえるものの
冷たい空間で
昔に感じた重苦しい思いがよみがえる。
この空間には、自由がない。

初対面の私に沢山の方が話しかけてくださり
なかなか本人さんとお話ができない。
ほとんどの方は家族さんの面会を心待ちにしてるのね…

どの方の言葉もほとんど同じ
家に帰りたい家に帰りたい
息子はとても優しい。いつでも迎えにきてくれる。
息子は忙しいから大変だ………
嫁はよく気が付くのよ…
認知症の有無は関係なく
子供さんに対する愛情が溢れていて
とても複雑な気持ちを引きずったまま
帰路に着いた。
「元気でな」の一言に
瞳が潤んでしまった。

否定するつもりはないが
やっぱり施設に行くと脱力感に見舞われる…。

昔来た道
いずれ行く道

老いる事の意味を考えさせられた。